はじめに

「首都岡山」なにそれ。百人の人が百人聞き返すでしょう。
日本のほとんどの人が冗談と思うでしょう。
でも、本気で考えてみると、それほどおかしくないことに気付かされます。

 2012年、ダイヤモンド・オンラインに『東京崩壊』の連載を始めました。

 直下型地震で大きなダメージを受ける東京から、事前に首都を災害被害の少ない地に移すという話です。

書き始めた時、新首都をどこに持っていくか決めていませんでした。半年の連載なので、途中で決めればいいとかなり無責任な出発でした。


条件は自然災害の少ないところ。しかし、日本中で自然災害、特に地震災害のないところなど見当たりません。どこも過去に大小の差はあっても被害を受けています。調べながら書き進めていきました。
連載の半分をすぎるころには、なんとなく岡山とは決めていました。単に高校まで育った故郷である、という理由だけではありません。

温暖で自然災害は他県に比べ、格段に少ない県です。特に活断層は県北をかすっているだけです。

新幹線は止まるし、高速道路も複数通っている。四国とも橋でつながっている。国際空港もある。つまり、交通の便がいい。

おまけに、日本のほぼ中央にある。北方領土、尖閣諸島までを考えると、ということで、少しこじつけ感がありますが。


首都を持ってくるためにはいろんな条件が必要ですが、けっこう満たしています。よし、ここに日本の首都を持ってこようと決めました。

いざ岡山県と決めて、さあ具体的な場所はどこだ、となりました。地図を眺めていると中央辺りに台地がある。吉備高原です。

3000万年以上動いていない頑丈な岩盤で、それなりの広さがあります。


2014年、こうしてでき上がったのが、『首都崩壊』(幻冬舎)です。

 当時は、いずれ本気で考えてほしい、という思いでした。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で、今がそのときだという思いが強くなりました。


東京一極集中の是正、近づく東京直下型地震、南海トラフ地震。ますます、「新しい日本の形」「首都岡山」が必要となったのです。

なぜ岡山か、なぜ吉備高原かについて、もっと深く考えていきたいと思います。

具体的には以下の4点について述べていきます。

 

 ◎岡山の魅力。吉備高原の魅力。

 ◎日本の形を変える必要性。巨大地震は近い。

 ◎日本独自の新しい首都の形を。

 ◎首都岡山の実現。

 

読み終わるころには、「首都岡山」も夢物語ではない、と思うに違いありません。