首都岡山
〜新しい日本の形〜
高嶋哲夫
2014年、『首都崩壊』(幻冬舎)という小説を書きました。
日本政府が首都直下型地震によって遷都を決意する物語で、最終的に首都を岡山にしました。ほとんどの人が冗談と思うでしょう。でも本気で考えてみると、それほどおかしくないことに気付かされます。
単に高校まで育った故郷という理由だけではありません。温暖で自然災害は他県に比べ、格段に少ない県です。交通の便がいい。北方領土、尖閣諸島までを考えると、日本のほぼ中央にある。さらにその中央には、約3400万年動いていない頑丈な岩盤に支えられた吉備高原があります。
首都を持ってくるためにはいろんな条件が必要ですが、けっこう満たしています。
東京一極集中の是正、近づく東京直下型地震、南海トラフ地震。ますます、「新しい日本の形」「首都岡山」が必要となっています。
なぜ岡山か、なぜ吉備高原か。具体的に以下を述べています。
◎岡山の魅力。吉備高原の魅力。
◎日本の形を変える必要性。巨大地震は近い。
◎日本独自の新しい首都の形を。
◎首都岡山の実現。
読み終わるころには夢物語ではない、と思うに違いありません。
目次
はじめに
第一章 三つのキーワード 吉備高原、岡山、『首都崩壊』
- 『首都崩壊』について
- 日本のヘソ吉備高原
- 日本のヘソ岡山
- 岡山の歴史文化、そして人々
第二章 日本を取り囲む危機
- 過去の災害
- 次の災害
- 日本発世界大恐慌
- 東京一極集中の弊害
第三章 新しい日本の形
- 意外と多い日本の遷都・世界の遷都
- 理想の首都
- 自立できる経済規模
- 科学技術の発達と新しい国会の形
- 首都岡山
第四章 未来に向けて
- 伊原木隆太(岡山県知事)
- 山本雅則 (吉備中央町長)
- 松田久 (岡山商工会議所会頭)
- 岡山一郎 (山陽新聞社編集委員室長)
- 板谷徹丸 (NPO法人地球年代学ネットワーク理事長)
- 岡山県27市町村より
おわりに
著者について
高 嶋 哲 夫(たかしま てつお)
1949年岡山県玉野市生まれ。慶應義塾大学工学部卒。
同大学院修士課程を経て、日本原子力研究所研究員。
1979年、日本原子力学会技術賞受賞。
カリフォルニア大学に留学し、帰国後作家に転身。
『帰国』で第24回北日本文学賞、『メルトダウン』で第1回小説現代推理新人賞、『イントゥルーダー』で第16回サントリーミステリー大賞・読者賞をダブル受賞。2007年、松竹映画・米ユニバーサルピクチャーズ初の共同制作で『ミッドナイトイーグル』が映画化。
自身が阪神・淡路大震災に被災して以降、『M8』『TSUNAMI』『東京大洪水』『富士山噴火』などで防災・減災に関する啓蒙を行う。
2010年発売の『首都感染』は中国発の世界的ウイルスパンデミックを描き、現在のコロナ禍を予言していると大きな話題を呼んだ。
2017年に『福島第二原発の奇跡』でエネルギーフォーラム賞優秀賞を、2020年に第1回「日本応用地質学会表彰」を受けている。